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ブナ林にニオイコブシの咲く頃

ブナ林にニオイコブシの咲く頃

ニオイコブシの咲く頃

(筆・白藤力)

雪が解けはじめると山々にもようやく春が訪れる。

雑木林でキタコブシが散りはじめる頃、ブナ林ではニオイコブシが咲きはじめる。

ニオイコブシの咲くブナ林

ブナ林にはまだ残雪がたくさん残っていた。

白い起伏をさえぎるように、無数のブナノキがくっきりと影を落としている。

ザックザックとその影を追いかけると、白い起伏がさらに遠くいっそうまぶしく光りはじめた。

するとどこからか、どこからともなく聞こえてくる音がある。

埋もれた枝が雪とたわむれる音のようにも聞こえる。

にぶい低音のメロディーのように、ザサッザーザサッザーと聞こえてくる。

ニオイコブシが咲いていた。

重たい雪を押し上げて飛び出すと、しなやかな枝がカモシカのように躍動する。

そのときから雪はみずみずしい流れとなって旅立ち、枝は芽をふくらませ白い花を咲かせるのである。

空を仰ぐと、すでにブナノキが芽吹いていてまぶしかった。

雪と枝がかなでるにぶい低音のメロデーがかすかに消えるようにこだましている。

カタクリ

雑木林ではカタクリが咲く頃、ブナ林では雪がきらきらと光りはじめる。

日を浴びた残雪の流れの隙間から、カタクリが芽を出している。

その残雪は雪原を走る野うさぎのように暖かいのだ。


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