日本の原生林保護運動のページ。 ブナ原生林から自然・社会・文化・環境を発信。

原生林と里山

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原生林と里山

(筆・白藤力)

森林の変貌は人間社会の反映

ブナの原生林と、雑木林とでは、生えている木も草も花も、土壌も地形も、ずいぶん違う。

針葉樹人工林(木材生産林)になると、その違いはもっと大きくなる。


ブナの原生林には、はるかな森の歴史がある。

雑木林や里山には、遠い人々のなつかしい風景がある。

針葉樹人工林には、振動病に苦しんだ山林労働者の苦悩と経済の残影がある。

このような森林の変貌は、人間社会の反映でもある。


もうひとつの森

「ブナの原生林が絶滅の危機に瀕しているから残さなければならない。」

これは文化的な要求だともいえる。現世代の後世代に対する道徳的な責務だともいえる。

ところで、森林には一次林と呼ばれる原生的森林のほかに、生活や生産と結びついたもうひとつの森がある。

たとえば里山とか二次林といわれる森林である。

この森にも自然がある。

1980年代から今日までの私たちの運動は、原生的森林からの、そのまた一部の森からの、ささやかなアピールにすぎないのである。

「大部分を占めるもうひとつの森」は、どのような問題をはらんでおり、

そしていつ、どのような経過をたどって甦るのか。

それをだれかが問わなければならない。

(はるかなるブナの森 1994年 八幡平の葛根田ブナ原生林を守る会発行より抜粋)


岩手山の森づくり

私たちはこの25年間、奥山に広がるブナ原生林保護運動を展開してきた。

それが8年前から岩手山の森再生運動にも取り組み始めた。

そのニュースは各方面に反響を呼んでいる。

そして今、岩手県の自然の象徴であり、石川啄木によって「ふるさ

との山」と歌われ、宮沢賢治によって「風さむき岩手の山」と歌わ

れた岩手山において、「大部分を占めるもうひとつの森」の問題に

とりくむことになった。

「ブナ原生林」から「もうひとつの森」への取り組みは、

私たちにとって自然な流れでもある。




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